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一条工務店でC値0.4の気密住宅!C値を低くするコツや測定した数値、計算方法をまとめて解説します!

2024年5月末に引渡し予定の我が家(一条工務店・i-smart)。

 

2024年3月23日に気密(c値)測定したところ、0.4cm2/m2という結構いい数値になりました!(一条工務店基準は0.7)

 

本記事では、実際の気密測定の状況等を紹介します。

 

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1.気密測定(C値)をする前に知っておくべきこと

気密測定は日本産業規格 JIS A 2201:2017『送風機による住宅などの気密性能試験方法』に準拠して実施する必要があります。

 

この方法に準拠しないと、数値が高く、または低く出てしまう可能性があります。必ず後述する内容を確認し、正しく測定されているか確認するようにしましょう。

 

そもそもC値とは何か

C値は家にどれくらい隙間があるかという指標で、住宅完成間近(通常であれば、石膏ボード施工後)になって初めて実測して出す唯一の値です。

 

単位はcm2/m2で、床面積1m2あたりどれくらいの隙間(空気が逃げる孔)が開いているかを表した数値になります。数値が小さいほど優れています。

 

C値は気密性を示す重要な指標で、C値が大きいとスカスカで隙間風が入る家になってしまいます。

 

スカスカだと当然熱損失も大きく、せっかくUA値やQ値が良い値であったとしても実際のエネルギー負荷が高くなり冷暖房費が多くかかってしまう可能性があります。

 

注文住宅を建てる場合、このC値を測定し、一定の数値以上を保証してくれるハウスメーカーを選ぶ必要があります。C値を全く見ないハウスメーカーは建付けが雑でクオリティーがまちまちだと思っていいです。

 

過去の基準ではC値は5.0未満が基準でしたが、現代では1.0未満程度あれば問題ないと言われています。

 

 

C値の測定準備

C値の測定にあたり、テープ等で目張りする・または目張りしてはいけない箇所が分けられています(JIS参照)。

 

目張りする場所としては換気扇や各種配管の中がありますが、これらがうまく目張りされていないとC値が大きくなってしまう可能性があります。

 

逆に、各種配管の周りやドア・窓・郵便受け等は目張りしてはいけません。

 

目張りすると実際の実力よりC値が小さくなってしまいます。

 

もしかしたら、いいC値を出すためにしてはいけないところまで目張りをする会社もあるかもしれないので、測定する際は十分に確認しておくようにしましょう。

 

 

測定条件

C値の測定では、空気の流れや温湿度が結果に影響します。

 

なるべく環境の影響を少なくするように、測定機器の推奨設置場所等も決められています。

 

設置場所:建物の気密性に影響しないような外皮の開口部を選択する(小さい窓など)

例えば、別の配管を通すための開口部等を用いてしまうと、実際に配管を通したときの配管と壁の隙間が測定結果に加味されないことになります。

小さい窓等、できるだけ影響の小さい開口部を用いるようにしましょう。

 

気温の測定:室内は日射などの影響を受けない場所、室外は外皮近傍で日射等の影響を受けないところ。

気密測定では空気の密度が測定結果に影響します。空気の密度は温度によって変化するので注意が必要です。

また、温度差が生じると気流が起きやすくなるなどして測定に誤差が出やすくなるので、基本的には日射の影響を受けにくい北側で測定を行うようにしましょう。

 

 

2.我が家(一条工務店・i-smart)の気密測定

一条工務店の気密対策

本来であれば気密測定はなるべく住宅が完成に近づいた条件で行うことが望ましいとされています。

 

通常であれば石膏ボード等の内張りが完了した状態で測定を行いますが、一条工務店は自身があるのか、石膏ボード施工前に測定します。(外皮でない内側の仕切り等は施工している場合があります)

 

さて、どこに隙間ができるのかを考えてみましょう。

 

一条工務店では、断熱材・合板・透湿防水シート等、何層もの素材で接着された外壁や床材をフィリピンの工場で製造しており、現場ではそれらを組み立てて住宅を作り上げていくといった手法なので、各壁自体に隙間はありません。

 

断熱材と断熱材の間に隙間があるように見えますが、他の層が空気を通さないので空気が漏れ出る隙間はありません。

 

隙間があるとすれば、壁と壁や、壁と床の接合部分になりますが、実際はどうなのでしょうか。

 

こちらは壁と壁の接合部の断面写真になります。右が住宅の内側で左が外気側になります。

 

ピンク色に近いベージュの8本のラインは接着剤で、壁と壁の接合の補強として用いられています。(もちろん、シール効果もあります)

 

グレーの素材がクッション材で、パッキンのような効果を示します。

 

茶色いのが合板、合板横の比較的白いところが外気側の断熱材(内外ダブル断熱)、白い部分が透湿防水シートなどが積層されています。

 

壁と壁の接合部からは空気は抜けなさそうです。

 

では、空気はどこから抜けていくのでしょうか。

 

実際に空気が抜ける可能性があるのは、外壁や床を貫通して外気側へ通じている配管等になります。

 

配管と壁材等の隙間が影響するので、一条工務店はこれをすべてコーキングしています。

 

しかし、C値が0になることはありません。

 

見た目ではすべて埋まっているように見えますが、例えば束部等はケーブルとケーブルの間に小さな隙間が開いている可能性があります。 

 

重点的に確認するようにしましょう。

 

 

一条工務店ではC値が大きくなる要因として、配管周りのコーキング忘れ、壁と床材の隙間、風呂場と床の隙間等が挙げられるそうです。

 

これらが発生するとC値の基準値を達成できないそうですので、すぐにわかります。

 

 

実際の測定結果(一条工務店基準値:0.7以下)

一条工務店でのC値測定は、外皮の開口部ではなく床側に空気を排出して測定します。

 

床側は外気と通ずるものの、風が無いのでいつでも安定して数値が出るそうです。

 

一条工務店では3回測定します。測定結果は・・・C値0.4cm2/m2でした(^^)/

かなりいい数値が出ました!

 

一条工務店での基準は0.7、ボリュームゾーンは0.5~0.6ですので、まずまず満足の結果です。

 

また、測定は3回ともほぼ同じ数値結果となりました。データからも、外気の気流の影響をほぼ受けていないことがわかりました!

 

 

3.C値が高いハウスメーカー・工務店を選ぶ際の注意点

ハウスメーカーや地域の工務店には、C値0.3以下等ハイレベルなところもありますが、選択する際には注意が必要です。

 

C値は空気の抜け穴さえなければ高い数値が出るので、例えば家全体をプラスチックフィルム(ビニール等)で覆えばC値は非常にいい数値になります。 

 

しかし、プラスチックフィルムは水蒸気も通さないので、調湿しにくい家になってしまいます。カビ等が生えやすくなります。

 

C値だけでなく、全館空調や換気システムが適しているかを含めて検討するようにしましょう。

 

その点、一条工務店はC値、耐震性、断熱性、全館空調すべてでトップレベルの性能を有します。家の外観に拘らない場合はオススメのハウスメーカーです。

 

一条工務店以外なら、スウェーデンハウスや積水ハウスなどがオススメです!

4.測定方法、各種数値の意味など

通気特性式とは

C値の測定では送風機を用いて住宅内の空気を強制的に排気して、住宅内を減圧し、圧力差を作り出します。

 

住宅にたくさん隙間が開いていると、流入する空気もあるので、一定の圧力差を作るために多くの空気を排出する必要があります。

 

この圧力差を5点ほど測定して通気量-圧力差特性グラフを作成して累乗近似を見ると、次のような式が得られます。これがJISで定められている通気特性式になります。

 

ピンクのグラフはC値0.4でn値1.32、水色のグラフはC値0,5でn値1.47の結果になります。

 

例えばy=15.784x^0.6823 という数式が得られますが、15.784は通気率、xは圧力差、0.6823(1/0.6823)は隙間特性値に対応しています。

 

隙間特性値nとは何か、層流と乱流の違い

隙間特性値は隙間の状態を表す特性値であり、C値測定するときに合わせてよく確認される数値です。

 

通気特性式を対数で表した場合、直線の傾きは1/nとなります。

 

一般にnは1〜2の範囲の値をとり、隙間が小さい場合は1に近づき、単純開口のように隙間が大きいと2に近づきます。

 

つまりどういうこと?って思いました?

 

つまり、隙間特性値が2に近い場合、大きい隙間があるから穴を探しましょうねってことです。逆に、1に近づくほど、小さな隙間がたくさんあるから対策できませんよってことです。

 

ちなみに、この隙間特性値は実際に隙間の大きさを測っているのではありません(当然ですが)。 

 

通気量と圧力差から、どの程度抵抗(乱流)があるのかを計算しているのです。

 

空気などの流体が流れるとき、流路の壁への衝突により流れが変わったり、壁との摩擦により抵抗が生まれて速度が低下したりします。

 

こういった状態を乱流といい、これが全くない状態を層流といいます。

 

流路や流速が小さい場合は層流となりますが、一定の大きさの流路や流速になると乱流となります。

 

乱流の割合が大きいと、抵抗によって通気しにくくなります。 

 

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